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原尾島クリニックはこんな病気を見つけている(大腸カメラ編)

大腸の中を観察するには内視鏡検査(大腸カメラ検査)を行うのが一番です。

内視鏡検査であれば、何かあれば組織をとる生検やポリープ切除などの治療が可能です。

大腸 CT という手段もありますが、あくまでもバーチャルの画像なので、粘膜面は観察できず、ポリープが見つかった場合は、後日内視鏡検査を行わなければなりません。

腸管の癒着などで内視鏡検査が困難な場合に選択するのがよいと思われます。

当院では大腸CTも行うことができますが、主には内視鏡検査を行っています。

特に出血があった場合や健診で便潜血陽性が出た場合は放置せず検査を受けて欲しいです。

数年前から陽性が出ていたが、2回のうち1回だったので良いと思っていたとか、他院で再検査したら陰性だったので様子を見ていた患者様が進行癌で見つかってしまうことを度々経験しています。

早ければ、癌であっても内視鏡治療で済んでしまう場合もあるので、検査を怖がらずに受けていただきたいです。

小さなポリープは出血することは少ないので、検査を受けたことで見つかっている場合が大多数です。

大腸のポリープ(腺腫)はいずれ癌化することが多いので、小さなうちに内視鏡的切除を行うことが重要になります。

症状がなくても、40歳を超えたくらいで一度検査をしておくのも良いかもしれません。

当院で見つかった病変を少し解説つきでご紹介致します。

良性ポリープ(腺腫)

進行大腸癌

また、同じ大きさの癌でも内視鏡治療が可能な場合とそうでない場合(外科的手術)があります。

治療を決めるのは大きさではなく深達度(根っこの深さ)です。

雑草と同じで、根っこを残すと癌が再発してしまうからです。

その深達度は正確には切除した組織を病理学的に(顕微鏡検査で )診断して判断するのですが、NBI+拡大内視鏡検査で表面の構造や血管異形を観察したり、クリスタルバイオレット染色でピットパターン観察を行うことで、おおよその診断ができます。

当院でももちろん実施しており、治療前に深達度を判断して、その場で治療を行うかどうかを決定しています。

側方発育型腫瘍(早期癌)

この腫瘍はかなり大きい(4-5㎝)ですが、深達度が浅いため、内視鏡切除が可能でした。

粘膜下層浸潤癌

このポリープは1㎝程度ですが、粘膜下層へ浸潤した癌です。

NBI併用拡大観察で血管の異形と構造の乱れが観察され、深達度が深いと診断されます。

すなわち深達度の深い癌ですので小さくても内視鏡切除ができず、このポリープの治療法は外科的な治療になります。

内視鏡治療については次のような治療が行われます。

こちらは一般的な内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術(EMR) になります。

治療前の良性ポリープ(良性腺腫)

生理食塩水を局注した後に金属スネアで結紮して通電切除します。

ポリープが切除された後の切除面

出血や穿孔予防のためにクリップで縫縮します。

場合によっては局注や通電をしないコールドポリペクトミーを選択する場合もあり、その場で最適な治療法を判断しています。

以上当院で見つかって治療した症例の一部をご紹介させていただきました。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

当院の内視鏡検査は日本消化器内視鏡学会専門医が行います。

専門の内視鏡技師も所属しています。

大腸検査の場合は検査前の準備が必要ですので、検査予約日前に一度来院してもらい、検査の手順や準備方法について説明させていただいています。

鎮静下での内視鏡検査、入院での検査にも対応しております。

まずはお気軽にお電話いただければ嬉しいです。