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内視鏡検査前後の食事管理の重要性:原尾島クリニックの内視鏡ガイド
先日は当院の内視鏡検査の件数等について報告させていただきました。
今回はその内視鏡検査をより良い検査にするために、注意しておきたいことについてまとめてみましたので、ご一読いただければ幸いです。
内視鏡検査は、消化器系の健康状態を確認し、病気の早期発見・治療につなげるために欠かせない検査の一つです。
特に胃カメラ検査や大腸カメラ検査を受ける際には、胃や腸の中を空にしておくことが重要で、病変の発見率や検査の精度に大きく影響します。
本記事では、内視鏡検査の食事に関する基本的な知識や当院での具体的な指導内容についてご紹介します。
1.内視鏡検査前の食事制限
より精度の高い検査を受けていただくために、検査の前日から検査当日までの食事制限が重要になってきます。
当院では、患者様が安心して検査に臨めるよう、食事に関して以下のようなアドバイスをしています。
前日の夕食
検査前日の夕食は、「消化のよいものを21時まで」に摂ることが推奨されています。
脂肪分や繊維質が多い食べ物、刺激物(辛い物、酸味の強い物など)、アルコール摂取は避け、できるだけ胃腸に優しい食事を心がけてください。
具体的には以下のような食事が適しています。
- おかゆやうどん
- 茹で野菜(食物繊維が少ないもの)
- 脂質の少ない白身魚や鶏肉の薄味の煮物
水分摂取について
水分(水またはお茶)は制限なく摂取可能です。
ただし、ジュースや牛乳、コーヒーなどは避けましょう。
これにより、脱水になることを防ぎ、胃内の食物を十二指腸へ送り、胃腸内がきれいな状態で検査を受けられます。
2.検査当日の食事制限
胃カメラ検査や大腸カメラ検査では、胃や腸の中を空にしておくことが非常に重要です。
胃や腸の中に食べたものや便が残っていると、観察の妨げになって、病変を見逃したり発見が遅れてしまう可能性があります。
検査当日の朝食
検査当日は絶食です。飲み物は水やお茶であれば少量は問題ありませんが、コーヒーやジュース、牛乳などの色の濃い飲み物は避けてください。
3.検査後の食事管理
胃カメラにおける咽頭麻酔では、誤嚥の危険性があるため特に注意が必要です。
鎮静剤を使用した場合には1時間ほどの休憩をとり、覚醒が確認されれば食事を摂取することができます。
生検(組織採取)を行った場合は、検査当日の刺激物やアルコール摂取を控えてください。
大腸カメラ検査でポリープ切除を行った場合には、検査後約1週間は刺激物やアルコール摂取を控えて下さい。
食事開始のタイミング
胃カメラ検査においては、検査時の咽頭麻酔の効果によって誤嚥の危険性があるため、検査終了後約1時間が経過してから、少量の水分をゆっくりと飲み、むせないことを確認してから食事摂取が可能になります。
内視鏡検査で鎮静剤を使用した場合には、約1時間ベッドで安静にし、しっかりと覚醒してから食事摂取が可能になります。
4.胃カメラ検査と大腸カメラ検査での違い
胃カメラ検査と大腸カメラ検査では、検査前の準備に多少の違いがあります。
特に大腸カメラ検査では腸内をきれいにするために、検査前から下剤を使用して排便を促す必要があり、食事制限や準備にも注意が必要です。
胃カメラの場合
胃カメラ検査では、前日の夕食は消化の良い物とし、21時までに済ませます。
検査当日の朝は絶食ですが、お茶やお水の水分摂取は可能です。
検査後は、約1時間後に咽頭麻酔の影響がなくなれば、少量の水から徐々に食事を再開していただけます。
大腸カメラの場合
大腸カメラ検査の場合は、検査の前々日または前日から下剤の内服が必要です。
検査3日前からは、腸内に残渣が残りやすい食物繊維の多い野菜、きのこ、豆類、海藻、種の多い果物の摂取は控えてください。
検査前日は専用の検査食を摂取し、検査当日の朝は絶食ですが、水やお茶で十分に水分を摂取してください。
来院後に約1,000~2,000mlの腸管洗浄剤を約2時間かけて内服します。
時間通りに飲めなかったり、腸管洗浄に時間がかかってしまう場合には、浣腸をしたり下剤の変更・追加をする場合もあります。
検査後は、処置の有無により異なりますが、処置が無かった場合にはすぐに食べていただけます。
5.当院のサポート体制と特徴
原尾島クリニックでは、患者様が安心して内視鏡検査を受けられるよう、さまざまな工夫を取り入れています。
当院の特徴として以下の点があります。
1.専門医と内視鏡技師による診察と検査
経験豊富な消化器内視鏡の専門医と内視鏡技師が診察と検査を担当しており、安心して検査を受けていただけます。
2.鎮静剤の使用
ご希望に応じて鎮静剤を使用することで、検査中の苦痛を軽減し、リラックスして検査を受けていただけます。
3.経鼻内視鏡・炭酸ガス送気装置の導入
経鼻内視鏡や炭酸ガス送気装置を使用することで、さらに負担の少ない検査を行います。
4.個室の提供
大腸カメラ検査を受ける患者様には、冷暖房完備のトイレ付き個室を提供しており、プライバシーに配慮しています。
まとめ
内視鏡検査は病気の早期発見に大きく貢献する検査方法ですが、その効果を最大限にするためには適切な食事管理が必要です。
検査前の食事制限を守ることは、正確な診断につながります。
原尾島クリニックでは、患者様の負担を軽減し、安心して検査をうけていただけるよう、スタッフ一同で一貫したサポートを提供しております。